【アーカイブ版】セイヨウ情勢 : 市民参加による外来種(セイヨウオオマルハナバチ)モニタリングと対策のためのリアルタイム情報共有サイト

- 最終更新日: 2015年12月28日

セイヨウオオマルハナバチ監視活動への参加方法

セイヨウのつかまえ方

1. どうやってつかまえる?

捕虫網を使う場合、以下のようなつかまえ方が安全かつ効率的です。

セイヨウの営巣場所

図1. セイヨウのつかまえ方の一例。

セイヨウは2006年9月に「特定外来生物」に指定され、生きたまま移動・運搬することが禁止されています。セイヨウを持ち帰る際はフィルムケースなど完全に密閉できるものを使い(そのまま放置すれば、確実にセイヨウが死ぬ状態を維持する)、冷凍庫にいれるまで、決してふたを開けないでください(詳しくは環境省「外来生物法」のページをご覧下さい)。

また、ペットボトルや、ふたのできるガラス瓶(コーヒーやコップ酒のビンなど)に、中性洗剤を10倍ほどにうすめていれると「殺虫ビン」になります(濃さは調整してみてください)。ハチを捕獲し、ふたをして上下を返すのを繰り返すことで、効率よく処理を進めることが出来ます。ただし、女王バチの巣作りの成功を判断する目安になる「花粉ダンゴ」が溶けてしまうため、ビンに入れる前に花粉ダンゴの有無をチェックの上、報告用紙に記録していただけると幸いです


花粉ダンゴ
図2. 後ろ足についた大きな花粉ダンゴ。

花粉ダンゴについて

女王バチと働きバチは後ろ足に「花粉カゴ」と呼ばれる器官があり、集めた花粉を大きなダンゴにして巣に持ち帰ります。花粉は、幼虫のたんぱく源。花粉集めは本来働きバチの仕事ですが、最初に産んだ卵が働きバチになるまでの間は、女王バチが自ら花粉を集めなければなりません。

春の女王バチの花粉ダンゴは「無事に営巣に成功し、幼虫が生まれていますよというメッセージなのです。


2. いつつかまえる?

市民の皆さまのご協力により、年間を通じてのセイヨウオオマルハナバチの出現パターンが明らかになってきました(図3)。春から初夏にかけて、越冬明けの女王バチが多く目撃・捕獲され、遅れて最初の世代の働きバチが出現します。夏には、働きバチの個体数が一気に増えるとともに女王バチは見られなくなりますが、秋になると翌年に営巣する新女王バチが出現し、越冬に入るまで観察されます。

セイヨウの月別の捕獲数
図3. 2006年度監視活動におけるセイヨウの月別の捕獲数。

このことから、セイヨウの分布拡大を防止するためには、以下の2つを対象に集中的に捕獲を行うのが効果的だと考えられます。

1. 4〜6月の女王バチと働きバチ
巣探し中、または巣作りを始めたばかりの女王バチをつかまえることで、巣の数を減らすことができます。ひとつの巣から生産される新女王バチは100頭を超えることも稀ではないため、この時期の捕獲は大きな意味をもちます。また、最初の世代の働きバチは個体数が少ないので、これを積極的につかまえることで、巣を「兵糧攻め」にして発達を抑えることができます。
2. 8月以降に出現する新女王バチ
越冬までのしばらくの間飛び回っている新女王バチをつかまえることで、翌年の営巣を減らすことができます。ただし、効率を考えると、春の時点での女王の捕獲を優先すべきでしょう。

セイヨウオオマルハナバチに刺されないために

マルハナバチの仲間は攻撃性が低く、スズメバチのように向こうから積極的に刺しにくるようなことは基本的にありません。しかし、やはり注意は必要です。

(1) ハチには直接さわらない。網をもちあげるときは、あらかじめリボンをぬいつけておくか、洗濯バサミやクリップなどを使い、あがってきたハチに刺されないようにする。
(2) ハチが逃げようとしたときは、(閉じ込めようとして)無理に手を出さない。

などを心がけてください。万が一刺されてしまった場合は、

(3) あわてずに、すぐに口やポイズンリムーバーで毒を吸い出してください。
(4) 患部をしぼるようにしながら流水で毒をながし、ばんそうこうなどで患部を保護してください。

顔面蒼白、全身の震え、嘔吐などの症状(アナフィラキシーショック)が出た場合は、大至急、病院で治療を受けてください!