【アーカイブ版】セイヨウ情勢 : 市民参加による外来種(セイヨウオオマルハナバチ)モニタリングと対策のためのリアルタイム情報共有サイト

- 最終更新日: 2015年12月28日
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【過去の情報】★号外★旭岳・姿見の池でセイヨウが確認されました

発信日:2007年09月20日
発信者:菊池 玲奈
北海道はすでに「秋深し」といったところでしょうか?
大雪山をはじめ、紅葉の美しい季節を迎えつつあると思います。
 
・・・が、残念な報告が入りました。
旭岳・姿見園地内で、セイヨウオオマルハナバチが確認されました。
 
以下、大雪山自然学校の鳥羽晃一さんが、写真とともに送ってくださった
確認情報です。
 
★★★
 
 本日9月19日 旭岳姿見園地内にてセイヨウオオマルハナバチを発見いたしました
 場所は標高1600m RW姿見駅より第1展望台にいたる園路横
 花はオヤマノリンドウ 見かけた頭数は2頭
 時間は7:50 薄ぐもり 時々日射 気温10度前後 風速3m前後
 添付写真つけておきます 大きさは女王よりも小さく 働き蜂よりも大きい感じがしました
 くっきりうつっていますのでご確認ください
 
 昼過ぎ 13時頃に同じ場所をさがしましたがそのときは在来種のみがみられました
 天候曇り 気温は15度くらいでしょうか?
 
 
★★★
 
写真は、合計7枚送ってくださいました。
エゾオヤマリンドウの根元に穴を開け、盗蜜をしています。
 
鳥羽さんからのご報告と、写真をみると、(標本を見ていないので確実に断定は
出来ませんが)おそらく「オスバチ」ではないかと考えています。
 
というのは、働きバチの場合、巣を拠点に蜜や花粉を集めるために移動する距離は、
数キロといわれていますが、「オスバチ」や「新女王バチ」はもう巣に戻る必要は
ないため、私たちが思っていた以上に長距離(数十キロ?)を分散している印象が
あります(昨年の黒岳9合目での確認も、8月末の「新女王バチ」の確認でした)。
 
今回の確認も、もし山の上にすでに巣ができている(=定着している)場合、
もっとも生産数が多く、また、監視の目も多い(花をみるために山を訪れる方の
多い)「働きバチ」の目撃情報が得られていると思うのですが、この時期に
初めての確認であること。それと、写真の個体の印象から判断しています。
 
ですので、「今回のハチの発見」=「定着した!」というわけではないのですが、
すでに山にセイヨウが到達できる条件がある、というのは、これで明らかになりました。
もし、交尾をすませた状態で新女王バチが飛来し、越冬に成功、営巣してしまえば
「定着」となります。いずれにしても、今の時期にしっかりと確認し、数を減らすことが
重要となります。国立公園内など捕獲の難しい場所もありますが、パトロールなどの
際に、ぜひしっかりと確認をお願いできればと思います。
 
繰り返しになりますが、新女王バチやオスバチの分散により、これまでセイヨウが
見られなかった地域でも、新女王バチやオスバチが飛来している
可能性があります。それは、「定着の可能性」を告げるメッセンジャーです。
「うちはいないから大丈夫」と思わず、ぜひ、監視をお願いいたします。
 
 
★ 9月5日には、南暑寒岳の登山道でも新女王バチが確認されています ★
 
話が前後しますが、9月5日には、空知支庁から、南暑寒岳の登山道でも
セイヨウの捕獲報告が届きました。
 
 
標本を送っていただき、確認しましたが、新女王バチでした。
旭岳と同じく、エゾオヤマリンドウに訪花していたそうです。
 
 
(地図、写真はいずれも、北海道空知支庁地域振興部環境生活課自然環境係
 からいただきました)
 
今は大丈夫でも、この先も定着しないとは限りません。セイヨウの分布が一番
広がるとおもわれるこの時期の対策は、とても重要な意味を持ちます。
 
ぜひ皆様のご協力を、お願いいたします。